娘に喰わせてもらってます。

生田りん

娘に喰わせてもらってます。 生田りん【2dfe00078】

「僕、お尻でシテみたいんだけどイイかな?」 そう言うとオジサンは私の中に乱暴に捻じ込んだ。感じたことのない熱さと痛みに思わず呻くと、オジサンは嬉しそうに笑う。なんで私こんなコトされてるんだろう? 窓に映る自分の姿は、すぐに滲んで見えなくなった――。小学校の頃に父が居なくなって、それからずっと母がひとりで私を育ててくれた。夜遅くまで仕事をして、欲しい物が全然買えなくても、ホントはすごく疲れていても、ずっと優しくしてくれた大好きな母。だから母から照れくさそうに彼氏を紹介されたときも、少し寂しかったけど嬉しかった。母がとても幸せそうだったから。でもある日、母が留守のときに私はあの人に乱暴された。「体で金を作れ」と言ってきた。別れて欲しかった。お母さんの好きな人は悪い人だよ。「ゴメンね、でもママもう一人で頑張れない、だからいうことを聞いて」 母はオジサンからお金を受け取ると、黙って部屋から出て行った。私と居ることよりも、あの人と居ることを選んだのだ。「今日は楽しもうね」 オジサンがスカートの間に手を挿し込む。身をよじって躱そうとすると、強く掴んで引き戻された。帰る場所も逃げる場所も少女には残されていない。大人たちの身勝手さに心と体を穢された健気で哀れな少女のおはなし。
横宮七海

娘に喰わせてもらってます。 横宮七海【2dfe00055】

ヒモ義父と孝行娘。「これで旨いもの喰えるな」 義父は受け取った封筒を大事そうに懐にしまい込んで笑った。私が連れてこられたホテルの一室には、目つきの怪しい中年男が待っていた。「たった数時間ガマンすればお礼が沢山もらえる。いいバイトじゃないか、なぁ!」 働きもせず、ギャンブル三昧の義父の言葉には説得力など無いけれど、家族のことを考えると、私には他に良い方法が思いつかなかった。こうやって月に数度、姉と交代で知らない男に抱かれた。感じたりなんかしない、アレから精子が出れば終わり。家に帰ってお風呂に入って全部忘れてしまえばいい。そう諦めてこの現実を受け入れていた。――でも今日は、今日だけはイヤだった。ずっと好きだったクラスの男子から遊びに誘われたのだ。私だって青春したい、甘い恋だってしたいから。「今日、早く帰りたいんですけど」 ダメモトで訊いてみた私の言葉を、「ヤダよ、気が済むまでエッチするんだから」そう笑い飛ばして、男は私に覆いかぶさった。ドブの臭いのする息だった。家族のために心を殺し、時間が過ぎるのをただ耐える少女が男の執拗な責めに屈したとき、喘ぎと涙が溢れ出た。クズ過ぎる大人たちに利用される哀れな少女のおはなし。
尾崎えりか

娘に喰わせてもらってます。 尾崎えりか【2dfe00072】

「お母さんのことはいいから、エリカは幸せになって」 それが口癖の私の母。いつも父に殴られ謝っていた母。私が怒鳴られそうになると庇ってくれた母。そんな私の大切な母が疲れ果て、病に倒れ入院すると、父は病院代がかかると母を責め、その怒りの矛先を私に向けた。「アイツが働けないならオマエが身体売って稼いで来いよ」 連日のように男たちに身体を弄ばれて、どれだけ心と身体が擦り減ろうとも、父は私から毟り取った。病弱な母のためにと、看護の道に進もうとしていた私の夢も、「そんな暇あるなら吉原行け」と踏みにじられた。父が嫌いだ。客が嫌いだ。セックスが嫌いだ。でも一番嫌いなのは私自身だった。鏡に映る私は母と同じ顔をしていた。全てを諦め受け入れて、私も壊れてしまうのか。イヤだ。そう思ってたある日、客が私に「愛人にならないか」と持ち掛けてきた。言うことを聞くなら学費も出すと男は言う。その下卑た笑顔に不快感を覚える。あの父に奪われるか、この男に奪われるか、どちらを選んでも地獄に変わりはない。それなら私は――。示されたのは二つの最悪な選択肢。男たちの欲望に抗おうと耐え続けた少女の心がゆっくりとひび割れていく。